当院では胃がんリスク検診(ABC検診)を行っています。
胃がんリスク検診(ABC検診)とは?
近年、胃がんは、肝炎ウィルスによる肝臓がんやHPV(ヒトパピローマウイルス)による子宮頸がんと同様に、 ピロリ菌による感染症由来のがんであることがわかってきました。ピロリ菌感染→慢性胃炎→萎縮性胃炎→胃がんへと進展します。
胃がんリスク検診(ABC検診)は、血液検査で「ピロリ菌感染の有無」と、「胃粘膜萎縮の程度(ペプシノゲン量)」を調べ、両者の結果を組み合わせて、胃がんの危険度(リスク)をA~Cの段階に判定します。あくまでも、胃がんのリスクを調べる検査であり、「がんを見つける検査」ではありません。
検診の方法
簡単な問診と採血のみです。予約の必要はありません。下記の時間までご来院ください。
月・火・木・金
午前8:30~午後12:00 午後2:00~午後5:00
水
午前8:30~午後12:00
土午
前8:30~午後12:00 午後2:00~午後3:30
対象とならない方 (検査結果が正確に判断できない可能性があるため)
- 現在、明らかな上部消化器症状がある方。
- 食道、胃、十二指腸疾患で現在治療中の方。
- 胃の手術をしたことのある方。
- 腎不全と言われたことがある方。あるいは加療中の方。
- ピロリ菌の除菌治療を受けたことがある方。
胃がんリスク検診(ABC検診)の対象とならない方に関する詳細については、下記をご覧ください。
料金
4,000円(税別)
結果
2週間前後で結果をお渡しできます。
胃がんリスク検診(ABC検診)の結果によっては、胃内視鏡検査が必要になります。
当院での検査を希望される場合は次の条件をお守りください。
- 前日の夜9時以降、食べ物をとらないでください
- 健康保険証を持参してください
- 午前中にご来院ください(当院での検査予約は不要です)
なお、結果説明当日の検査も可能です。
ABC検診に向かない人、注意を要する人は?
ABC検診は血液を採血するだけの簡便な検査で、「食止め」など食事制限もなく、また、特に副作 用(合併症)などもありません。
X線検査を苦手とされる高齢の方々でも問題なく受診できます。 ただし、下記のような場合は検査結果が正確に判定できないために、除外対象となりますので、注意が必要です。
ABC検診の対象外となる人
- 明らかな上部消化器症状があり胃や十二指腸の疾患が強く疑われる人は、保険診療の対象です。
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の人は、保険治療の対象です。
- 胃酸分泌抑制薬、とくにプロトンポンプ阻害薬を服用中、または2カ月前以内に服用していた人は、ペプシノゲン値が高く、陰性に出る場合があります。
- 胃を切除した人は、ペプシノゲン値が低く、陽性に出る場合があります。
- 腎不全(目安:血清クレアチニン値が3mg/dL 以上)の人は、ペプシノゲン値が高く、陰性に出る場合があります。
過去にピロリ菌を除菌したことのある人は要注意
ABC検診は、ピロリ菌感染者を見つけ出し、ピロリ菌除菌治療(胃がん一次予防)の対象者を絞り込む検査ともいえます。ただし、過去にピロリ菌を除菌したことがある人(除菌群:「E群」)はA群(ピロリ菌未感染者・超低危険群)ではないのに、見かけ上誤ってA群と判定されてしまうことが起こります。これを防ぐためには、何よりも問診によって過去のピロリ菌除菌歴を必ず聴取することが大切です。
また、ピロリ菌を除菌された方は、胃がんリスクが約3分の1に低下しますが、未感染のA群とは全く異なりますので、除菌後も内視鏡検査などの画像検査を必ず受診しなければなりません。
※ABC検診 Q&A集「胃がん撲滅に向けて、今こそリスク分類による効果的な検診を」(NPO法人 胃がん予知・診断・治療研究機構)より抜粋